煩悩を消し去るテクニック  SPECIAL EDITION

 

1回目は、『ロックンロール・ダイエット』の映画化を発案し、いきなり原作者に会いにきた、熱き魂を持つプロデューサー・井之原尊さんです。
先日もロックンロール・ダイエットを始めてすぐに食事をしながらの打ち合わせがあり、ダイエット中止を余儀なくされたそうです・・・・・・

 

『ロックンロール★ダイエット!』プロデューサー
井之原尊さん

 

鹿児島県生まれ。28インチスリムジーンズを履いていたガラスの十代を経てギョーカイ入り。30kg体重増加の後、現在は90kgオーバーのメタボオヤジとなる自身のデブ経験とダイエットへの憧れから、ロックンロールダイエット映画化に執念を燃やし企画製作プロデュース を担当。革パンが似合うイケメンプロデューサーを目指しロックンロールダイ エット中!!

 

 

 

「男なら細かいことは気にせず見た目にこだわれ!」

 

この言葉が映画化のトリガーになりました。

 

 映画の主人公にひけをとらないほど立派な体格をしている井之原さん。ご自身でもジムに通ったり、杜仲茶を飲んだり、グレープフルーツや酢漬けの野菜だけを食べるという一品ダイエットなど、いろいろなダイエットに挑戦してきた過去がある。その都度、10kgくらいは痩せるそうだが、なかなか長続きせず、すぐにリバウンド。そんな時に朝日新聞の読書欄で『ロックンロール・・ダイエット』のことを知り、「男は魂で痩せる」というテーマに共感、どうしても映画にしたいと考えたそうだ。

 

 「見ての通りの体型なので、ダイエット話はたくさんできますよ(笑)。ひとつのダイエット法が長続きしないので、いろいろなダイエットを試しました。そもそもストイックな人は性格的に太らないはずなので、ダイエットとは無関係なはず。しかし僕の場合は意思が弱いというか、『今の体型も自然の流れだから仕方ない、これでいいじゃん!』って思うことにしちゃうんですよ。だから『ロックンロール・ダイエット』の、男なら細かいこと(=数字)は気にせず見た目にこだわれ!という内容にすごく共感したんです。仲間に話したら、おもしろいって大盛り上がりしまして……。女性向けの本はたくさんあるんですが、男のダイエット本ってあまりないんですよ。でも、ダイエットが必要な男性って多いでしょ。時流に合うテーマだし、映画にしようということになったんです」

 

映画のみどころは
嶋大輔さんのリーゼントとバックショット

 

 映画は元ロックンローラーの主人公が、結婚後「昔はかっこよかったのに」と妻から言われるほどの中年太りになっていることからはじまる。家族のために一生懸命働いた結果なのだからこの体型も幸せの証と、太ったことを省みることなく生活していた。が、ある出来事をきっかけにはじめたダイエットに挑むことで、家族の信頼や昔の“ロックな”自分を取り戻していくというストーリー。主人公の江口を嶋大輔さん、江口の妻を三原じゅん子さん、江口の娘をグラビアで活躍する波瑠さんや紗綾さんが演じる。


 「映画は原作を元にしたロックンロール・ダイエット“人情話”です。原作の通り、何キロ痩せた!という数字は関係ありません。あくまでも革パンが履けるようになることが目的なので、細かいところは気にしないで観てください(笑)。それより、嶋さんのダイエットに向かう気持ちが実にロックンロールしていますので、そこに注目してもらいたいですね。映画を観てもらえれば、たとえば、嶋さんと同年代のお父さんがダイエットに目覚めてくれるというだけでなく、今では忘れてしまった若い頃の情熱を取り戻したいと思う、そんなトリガーになってくれるはずです」


 ダイエットがテーマの映画だが、数値にこだわらないのは原作の通り。よって、ダイエットの「ノウハウ」を教えてくれるものではないが、ダイエットをする人の「心の動き」は表現できているはずだと井之原さん。今までダイエットをしたことがある人には共感できる場面がたくさんありそうだ。


 「個人的には、嶋さんのリーゼントが非常に懐かしく、デビュー当時と変わらないかっこよさに惚れ惚れしました。それと、ギターを持ったバックショットがあるんですけど、『男の勲章』を歌っていたときと同じ腰の動きがたまらなくかっこよかったです。嶋さん、三原さんを懐かしく思う年代の方はもちろん、ダイエットに興味のあるすべての人に楽しんでいただける作品だと思います」

 

次なる仕掛けは
「ロックンロール・ダイエット」ツアー!?

 

 「太っていること自体は決して悪いことではないと思います。僕も痩せていませんし……(笑)。ただ、太った体で長時間歩くと膝が痛くなるわけですよ。で、病院に行くと痩せろと言われる。そこで、『あっ! そうか』と。体重が重いから膝が痛くなる、だったら痩せればいいんだということに気がつくんです。実に単純なことですけれど、忙しいとそれに気がつかない。僕もそうですけど、痩せると動きが軽くなります。膝も痛くならないし、自分にちゃんと返ってくる。結婚式に呼ばれるたびにスーツを新調する必要もないですし……。体型を維持するということは、家計にやさしいとうこと。エコですよ! 成人病の予防にもなりますし。ダイエットをすることはやせることが目的ですけれど、自分のことを振り返る時間にもなると思います」


 ダイエットとは体重を落とすことが目的だが、そのためには自分と向き合う必要がある。体重管理もできない=ダメ人間、という太っている人には厳しいレッテルが常識になりつつある昨今、ダイエットをすることで、夜中まで起きてポテチ片手にゲームしながらレベルが上がった、などと喜んでいるような、今までのダメな自分と決別することができるかもしれない。


 「ただ、ダイエットってひとりではなかなか続かない。だから、みんなでやりたいなと、ダイエット部を作りました! まだ部員は2人ですけど。その日食べたものを報告しあって励ましあっています。でも、もっと大人数の方がいいですね。ダイエット合宿なんて楽しそうですよね。食費がかからないから、交通費に還元してちょっと遠出することもできます。景色のいい場所や自然に囲まれた場所なら、空腹でカリカリすることもないと思いませんか? もちろん映画のテーマ曲である『ロックンロール・ハイウエイ』はみんなで合唱します。どうせだったら、ダイエットあいのりと名づけて、男女の出会いの場所にしたら楽しいかな。ダイエットもひとりでこもってやるとつまらないので、イベントにして取り組むと楽しく痩せられるんじゃないでしょうか。映画の宣伝にもなるし、ロックンロール・ダイエットツアー、いいですね〜」