揚田.あき(あがりたどっとあき)
●タレント●和歌山県出身。1990年、アイドルとして芸能界デビュー。数々のバラエティ番組に出演し、レポーターとしてもお茶の間の皆様に親しまれる元気なお姉さんキャラクターを確立。ドラマや映画など女優としても活動。劇団「感劇空間」の主宰を務める。

1997年に、自ら試した数々のダイエット方法を綴ったダイエットエッセイ「やせるが勝ち?!」(実業之日本社)を出版。

 日本テレビ系「マネーの虎」で自家製健康ドリンクをメインにした「健康ドリンクバー」をプレゼンテーションし、「人間性に投資します」と見事1435万マネー成立。しかし約束の日までに物件を見つけることができず、1435万の出資を辞退。自ら借金をし、2004年7月「健康ドリンクバー 揚田.あき」を麻布十番にオープン。

>> 『揚田.あき オフィシャルサイト』



揚田.あき さん(タレント) 全ては衝動からはじまる


【搾りたての青汁がいい】

 今回はタレントの揚田.あきさんの健康ドリンクバーを訪問しました。これまで様々なダイエットに取り組み、健康食を工夫してきた揚田さんが開発した、緑黄色野菜を中心としたドリンクや、極力、油を使わないシンプルなフードメニューがメインになっています。
 確かに揚田さんの肌はとてもきれいで、とても若々しいのです! 著書「やせるが勝ち?!」で紹介されていたダイエットはかなり過激なものも多かったのですが、やはり自然食のほうが体に良いのでしょうか?

 一番良いのは、青汁。ケールというキャベツみたいな葉っぱの搾り汁。専用のジューサーでじっくり搾ります。普通の高速カッターのミキサーだと成分が壊れるんです。搾ってから30分以内が飲み頃です。作りたてなら加熱殺菌をしないからビタミンが生きてて一番いい。新陳代謝がよくなって体脂肪率が下がります。

 常連さんは、会社の身体検査で体脂肪率ナンバー1になった。この青汁の効き目ですよ。 ある日、常連のOLさんがお店に飛び込んで来て、「会社の飲み会を抜け出して来たの。青汁を一杯ください!」って言って、ぐーっっと飲み干したら調子が良くなったようで。何だかわざとらしいくらいで、やめてよ(笑)って思ったけど、それを見ていた他のお客さんも、「そんなにイイの?」って飲みたくなったみたい。


【こんなお店が欲しかった】

 お店を立ち上げるのには、様々に苦労があったそうです。

 元々、アイドル時代に遊びに行くのに、ダイエット中でも安心して行けるところが欲しいと思っていたんです。ひとがガンガン食べてるときに、自分だけはサラダのみ……とかイヤじゃないですか。

 お店にあるメニューは、自ら開発した自家製ドリンクや素材を生かした料理がベースになっていて、お店に出すためにレシピをきちっと調整しました。物件探しは苦労しました。不動産屋より詳しくなったほど。

 お店が出来るまでの悪戦苦闘ぶりはお店のホームページの「会議」のコーナーをぜひご覧ください。爆笑コント仕立てで面白いです!

 お店を立ち上げるのに、とにかく知らないことだらけなので、大変でした。建築のこと、経営のこと。保健所や営業許可のこと。生のアドバイスをいただいたりして、こんなに皆様にお世話になったことはない。 本当に大丈夫なの? お店出せるの?とよく言われました。


【くつろぎの場所】

 お店の建物は以前はトタン屋だったそうで、コンセプトである「昭和初期のくつろぎ」にピッタリです。ヒーリングミュージックが流れて、マイナスイオン発生器もあり、森林と同じ効果があるそうです。看板犬のハンサム君も可愛くて、和ませてくれます。健康ドリンクだけでなく、果汁入りビールや、焼酎、大人気の緑茶梅酒など、お酒も美味しくいただけます。

 お店に来て、眠っちゃうお客さんが多いんですよ。酔っぱらうというより、リラックスできるみたいで。クラッシックのコンサートで究極なのは、自然に眠りへ誘う……みたいな感じです。

 そんなくつろぎもあるけど、私のお喋りも公開のラジオみたいに凄いんです。お客さんが聞き手で、料理を作る手を忘れて、ずーっとトークしてたりします。バーは近所のひとが行き着けで来るものだから、一人で来るひとが多いですね。健康ブームだけど、お客さんには凄く健康を意識してる人より、意外と普通の人が多いです。男女比率もきれいに半分ずつ。個性的なお客さんがいっぱい。ここにいるだけで、すごく刺激がある。みんなお友達みたいになるから楽しい。仕事のスケジュールによっては行けない日もありますが、従業員がいるので、毎日顔は出してます。

 六本木や永田町に隣接する土地柄とあって、驚愕する出来事がいっぱいあるそうです。「女王様と犬男事件」、その続編「謎の歯医者さん事件」などなど……。残念ながら本稿では詳しくお伝えできませんが、実際にお店にお立ち寄りの際には、日々のエピソードを生で存分に楽しんでいただけることでしょう。

 「何もかもうまくいって、贅沢できるけど、最後に買うのは健康ですよ」って言うんです。海外のお客さんでも「来日した時には必ず来たい」って言ってくれる超ビッグな方もいてくれて。


【時間がなかったのがよかった】

 念願のお店が実現してから、順調に一周年を向かえた揚田さんですが、必ずしも最初から勝算があったわけではなく、やめておこうかと悩んだこともあったそうです。「マネーの虎」を見た視聴者の反響や、取材依頼など多くの期待に胸を打たれて開店を決意したのは、「見る前に跳べ」という言葉にも通じる、衝動から生まれた行動だったのでした。そして、意外にも「時間がなかった」ことが良かったのだそうです。

 時間があればいいってもんじゃないから。夏休みの宿題といっしょでね。時間に余裕があったら、あきらめようかなって悩む時間もできるし。……そうではなく、衝動からはじめる! 衝動からはじめたことで、生まれることがあるんです。

 自分で気付いたんですが、私の強みは負けを認める勇気を持ってること。間違えを認めることができる。普通は誰でもゴマかしてしまうけど、私は自分の間違いは間違いと認めるから。これは、能力だと思う。勇気だし、訓練してできることじゃないから。

 親が余裕をもって、おおらかに育ててくれたおかげかな。何か失敗しても「家に入れません!」みたいじゃなくてね。お店の従業員をしている、事務所の後輩も失敗は誰でもやってしまうもの。ただしウソをついたら、どんなことになるか…ね。

 これからダイエットする人も、まずは衝動ではじめてみるのがいいのでは? 「プチうまれかわり」なんですよ。ヤセることで違う自分になれる。偉くなっちゃった人は太ってても仕方ないし、貫禄に見えるからいいけど、そうじゃない人なら、せめて痩せなくっちゃ。痩せればモテるようになるとかね。全ては衝動ではじまるんです!